若くして額が広くM字であったり、頭頂部の薄毛に悩んでいる方の話をよく聞きます。
いろいろな薬や育毛剤、発毛サロンなどを活用しながらも、「自分の頭皮は遺伝のせいだから仕方のないことなんだ」と、最後にはあきらめてしまう人が多いように思われます。
実は若ハゲの症状は治療できるかもしれません。つまり、はげや薄毛も病気のひとつで、治療すれば治る可能性があるのです。
今回はそのメカニズムについて医師に解説していただきました。
若ハゲを起こす男性型脱毛症(AGA)
男性の若はげの原因は主として、男性型脱毛症(AGA)が一因となっています。思春期後に額の生え際が後退したり頭頂部が薄毛になったりし、そして減ってきた部位に生えている髪の毛は産毛のような弱い髪になってしまいます。
これがAGAの主症状です。AGAの原因としては男性ホルモンが影響しているとされています。
AGAは髪のヘアサイクルの異常?
まず、髪の毛は一定のヘアサイクルを繰り返しており、生えてから一定期間成長し、その後休止し抜け落ちる。しばらく毛根が休んでから再度生える。というサイクルで髪の毛は常に生え変わっています。このサイクルで髪の毛の生え変わりに最も大切な細胞は毛根の毛母細胞です。
AGAの方では男性ホルモンテストステロンが毛根周囲で5-α還元酵素により、さらに効力の強いジヒドロテストステロンへと変換され、そのジヒドロテストステロンが毛母細胞に作用すると前述のヘアサイクルの回転が速くなってしまいます。それにより、十分な太さまで髪の毛は成長しきらず、抜けるまでの期間が短くなることで薄毛にもなってしまいます。
薬を飲むだけでAGAが改善する!?
そこで、AGAの治療には5-α還元酵素阻害薬(日本ではフィナステリが使われています)という内服薬を一日一回飲むことで、薄毛になりやすくなる効力の強いジヒドロテストステロンへの変換を抑制し、早くなってしまっているヘアサイクルを戻すことが可能になり、結果薄毛を治療することができます。
注射などでホルモンの作用を軽減させるわけでなく内服で治療が可能であることは大変有用な治療方法でしょう。
【医師からのアドバイス】
以上のように、薄毛や抜け毛といった髪の毛の問題は、仕方がないといってあきらめてしまうのでなく、病気であることも考えて治療してみましょう。
薄毛や抜け毛が治ることで気持ち的にも明るくなり、社交的になられて成功を収めた方を見てきておりますので、一度皮膚科などへ受診してみてください。