しっかりとした睡眠の確保が髪の健康に重要な理由とは?
睡眠には、1日働いた体の機能を休め、疲労からの回復やダメージの修復、免疫力を高めるなど、健康な体を保つために欠かせない役割があります。その修復の作業をするのが「成長ホルモン」です。
大人になってからの成長ホルモンは、子どものように活発には分泌されません。しかも分泌は睡眠時におこなわれるため、睡眠時間の確保がとても重要となってきます。成長ホルモンが分泌されることで、頭皮の新陳代謝がスムーズにおこなわれ、髪の毛を作る毛母細胞へも、より栄養を取り込むことが可能になるのです。
しかし、睡眠時に体の修復機能が優先されるのは、脳や内臓といった体の重要器官。髪の毛は、後回しになってしまうのです。睡眠不足の状態では成長ホルモンの分泌量も減少し、なおさら髪の毛にまで手が回らず、修復もおろそかな状態になってしまいます。これでは、頭皮の新陳代謝や髪の毛の栄養補給もスムーズにおこなわれなくなってしまいます。また、慢性的な睡眠不足は、自律神経のバランスを乱すことから、全身の血行不良につながりかねません。健康な髪の毛を保つためには、頭皮の血行が良好であることが重要です。
健康な頭皮や髪の毛をめざすなら、安定した睡眠時間の確保が欠かせないことがわかりますね。
健康な髪を育てるための睡眠とは?
健康な髪を育てるためには、睡眠時間をしっかり確保し、成長ホルモンを分泌されることがポイント。その成長ホルモンは、ゴールデンタイムとも呼ばれる22時から翌2時までの間にもっとも活発に分泌されるというのは、いつの時代にもよく言われていることです。
しかし、働き盛りや家事・育児に追われる世代にとって、22時に就寝しているという生活はなかなか難しいことでしょう。近年の研究では、眠りについてから30分~3時間の間に成長ホルモンのピークを迎えることがわかってきています。22時からという時間帯を意識するあまりにストレスとなってしまうよりも、入眠後の3時間にぐっすり眠ることを意識するほうが、現代を生きる私たちには現実的とも考えられています。
そして、せめて日付が変わるころに就寝することができれば、いわゆるゴールデンタイムをカバーすることも可能ですね。
睡眠の「質」もポイントです
ただ単に睡眠時間を確保すればそれでよいわけではありません。睡眠にはその「質」もとても大切です。
成長ホルモンをしっかり分泌させるためには、「ぐっすり」眠ることが必要なのです。睡眠には、身体の機能を休める「レム睡眠」と、脳を休め、より深い眠りに入る「ノンレム睡眠」との2種類があり、一定の間隔で交互にやってきます。そして、入眠から時間が経過するにつれて眠りは徐々に浅くなる特徴があります。目覚める準備に入ろうとするためです。一番深い眠りが得られるのは入眠後約3時間。このはじめの3時間を、途中で目覚めてしまうような障害なしにぐっすり眠っていることが、成長ホルモン分泌の大きなポイントとなってくるのです。
周囲の騒音や、明るさのせいで目が覚めてしまうような環境、寝る前のお酒などは、うわべだけの睡眠になってしまう恐れがありますので改善しましょう。
また、静かな音楽や読書、灯りを落とすなど、自分なりの入眠儀式を作るようにするのも、タイミングを逃さずにスムーズな眠りを迎えるためのポイントです。