育毛、発毛法はそれこそ無数にあり、さまざまな発毛・育毛剤の類が販売されている。しかし今が旬の果物であるリンゴこそが最強の育毛剤だと指摘する専門家がいる。
「1日1個のリンゴで医者いらず」と言われるほど、カリウム、ペクチン、リンゴ酸、ビタミンなど多くの成分が含まれる栄養価が高い果物だが、薄毛やハゲの改善効果も大なのだという。
これはリンゴに含まれているりんごポリフェノールによるもので、富山医科薬科大学(現・富山大学)の研究でも実証されていた。共同研究した協和発酵が、東京新聞紙上にこう発表している。
〈リンゴポリフェノールは毛母細胞を増加させ、ヘアサイクルを正常化させる。実験で71%の人の毛密度が増加し、1平方センチメートルあたり、22.8本も発毛し、48%の人で硬毛が増加した〉
これはリンゴポリフェノールの中のプロシアニジンの力による。プロシアニジンは頭皮の血行を促進し、健康で丈夫な髪の毛を生成する。また、強い抗菌作用により、頭皮の毛穴に詰まった皮脂や老廃物が酸化して細菌を繁殖させるのを防ぎ、健康で綺麗な毛穴を維持するのだ。
アサヒグループの調べでは、リンゴポリフェノールの構成成分の65%が発毛成分のプロシアニジンだった。さらに、青リンゴには赤リンゴの約10倍のリンゴポリフェノールが含有されているという。美容師でもあるヘアーコンサルタントの五十嵐孝子さんは言う。
「リンゴポリフェノール入りの育毛剤も出ていますが、1日1個、もしくは半分でもリンゴを食べればいい。ただし、プロシアニジンはリンゴの皮に含まれているので、皮ごと食べるとよいのですが、青リンゴは酸味が強い。続けるには丸ごとジューサーにかけて、ハチミツを入れたりして飲むのがベストでしょう。それが面倒な人には、青リンゴで作ったリンゴジュースやジャムが市販品として売られています」
ただ、何事にも適量はある。リンゴも食べ過ぎると糖分の摂り過ぎに繋がり、血糖値が上がったりするので要注意だ。