どんなにお金をかけても、一度はげてしまった部分に「本物の髪を皮膚から生やす」ことはこれまで不可能とされてきました。まだ初期段階とはいえ、実現に向けて研究が進んでいます。
いつの世も男性を悩ませる「ハゲ」の問題。最近は男性だけでなく、女性にも増えていると言われます。遺伝や病気によることも多いので、努力ではどうにもならないのが辛いところ。
しかし、そんな悩みも近い未来に解決するかもしれません。イギリス・ダーラム大学とアメリカ・コロンビア大学の共同研究は、ヒトの細胞を培養し、人工的に髪の毛を生やすことに成功しました。
使用されたのは、毛穴の中に存在する「真皮乳頭」と呼ばれる細胞。これは髪の毛の「設計図」を持っていると言われています。研究者たちはまず、取り出した真皮乳頭をラボで培養し、クローンを作りました。これを皮膚に移植して、毛を作ります。移植は、被験者の7人全員で成功し、そのうち2、3人についてはその毛が皮膚を突き破って発生してきたことが確認されたそうです。
これまで、毛を移植するという方法はすでに実現していますが、一度生えなくなった部分から再び自然に髪を生やすのは不可能とされてきました。実用化にはまだまだ課題が残るということですが、夢のような治療に期待せずにはいられませんね!